3階層ネットワークの解説【キャンパスネットワークとは】

ネットワーク設計において標準的な、階層構造のネットワークについて解説します。
3階層ネットワークってなに?キャンパスネットワークってなに?という方へ、
構成例やメリット・デメリットも合わせて解説します。

まずは結論

高集積環境において、3階層ネットワークは優れた構成
・ネットワークの機能ごとに階層化することにより、拡張性や保守性を向上
仮想化環境では2階層が主流
・ネットワーク規模によっては過剰な階層化は不要

詳しく解説していきます。

3階層ネットワーク(キャンパスネットワーク)とは

3階層ネットワークは、キャンパスネットワーク(構内ネットワーク)とも呼ばれます。
データセンター大規模オフィスなどの高集積のLAN環境で標準的なネットワーク構成です。

上図の通り、ネットワークの機能に応じて階層分けします。
階層はコア層ディストリビューション層アクセス層3層で構成されます。
アクセス層にサーバやクライアントPCを接続します。
(規模によってはコア層とディストリビューション層を統合して2階層にします)

各層の役割/特徴は以下の通り。

コア層
・ネットワーク全体のルーティング制御(BGP/OSPF)
・複数のネットワークドメインを収容する際の仮想化機能(VRF/VDC)
・高い耐障害性を求められるので、物理筐体レベルの冗長性(電源冗長/シャーシ/スロットモジュール)
・WANを跨いだ拠点間接続のためのVPN機能(MPLS-VPN/IP-Sec VTI)

ディストリビューション層
・セグメンテーション機能(SVI/HSRP/VRRP/DHCP)
・基本的なルーティング制御(OSPF/スタティックルート/VLAN間ルーティング)
・レイヤ2スイッチとの冗長機能(スパニングツリー/リンクアグリゲーション)

アクセス層
・VLAN機能
・ポートセキュリティ制御(802.1x)

階層化する目的は、拡張性や保守性、ポートあたりのコストパフォーマンスが挙げられます。

上図赤波線の様にアクセス層に機器を追加したい場合、
変更を加える箇所はディストリビューション機器のみで済みます。
これにより、構成変更による予期せぬ障害の影響を局所化できます。

3階層ネットワークの構成例

上図は3階層ネットワークを実際のオフィスに当てはめた構成例です。
ディストリビューション機器を各フロアに配置し、拡張用のアクセス層機器を収容。
実際のオフィス構造にマッチした構成であることが分かります。

3階層構造のメリット・デメリット

どんな構成でも必ずメリットとデメリットがあります。
それぞれ解説していきます。

メリット

・拡張性/保守性に優れている

上記で解説した通りです。
ネットワークの構成変更は間違えるとシステムに対する影響が甚大です。
階層構造によりネットワークをモジュール(部品)化できます。
部品が壊れても、その部品だけ交換すればよくなります。

・ポートあたりのコストパフォーマンスが良い

サーバやクライアントPCを接続するレイヤ2スイッチは安価です。
最もポートを食う箇所を、安価なレイヤ2スイッチで構成できるので、
ネットワーク全体の設備コストを下げられます。

デメリット

主に機器台数が多くなることによるデメリットがあります。

・管理が大変

機器台数が多くなるので、単純に資産管理や機器監視の量が増えます。

・構成が複雑になる

各層を分断するため、セグメント分けしたりルーティングしますが、
機器台数に比例してConfig総量が増えていきます。

大規模なネットワークではレイヤ3スイッチのRunning-Configが余裕で1000行超えたりします。

・場所を取る

マシンルームやオフィスに機器を大量に設置するので、それだけ場所が必要になります。
機器のセキュリティなど考慮すると平置きではなくラックに収容したいため、
思った以上に場所を占有してしまいます。

別に3階層じゃなくてもいい

上記の通りデメリットもありますし、
仮想化技術の進歩により3階層ネットワークは必ずしもベストとは言えなくなっています。

2階層(仮想化環境の標準)

たとえば上図の様なCisco ACI(SDN) & VMwareの環境では、スパイン・リーフの2階層ネットワークが主流です。
(仮想化により必要な物理ポート数が減ったため)

1階層で良い場合もある

たとえば上図の様に、1フロアや1部屋のオフィスは階層化するメリットが殆どありません。
(接続するノードが増える予定が無ければ、拡張性を考慮する必要なし)

インターネット接続、セグメンテーション、サーバ収容、クライアントPC収容を
1台の機器で済ませてしまってもよいでしょう。

まとめ

大規模&高集積なネットワークの標準構成である3階層ネットワークですが、
昨今の仮想化やクラウド利用、テレワークにより求められる要件が変わってきています。

顧客が真に必要とする要件に合った構成提案が出来る様、設計の流行は常に追うようにしましょう。

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