
ネットワーク構築においてLANの実行速度を調査したい時はiperfがオススメです。
シンプルかつ、WindowsやLinuxなど様々なOSで利用可能です。
本記事ではiperfの使い方と、iperfを用いた実験例を記します。
iperfとは
例えばPC同士が1Gbpsのリンクで直結していたとして、
TCPなどのオーバーヘッドにより、実行速度は900Mbps程度です。
iperfを利用すると、通信のオーバーヘッドや物理的要因など、
外的要因を含めた実行速度を測定することが可能です。
また、簡易的に負荷かけも出来るのでQoSの実験などにも利用可能です。
iperfの使い方
iperfはクライアント・サーバ型のアプリケーションです。
下図の様に、測定対象の端末それぞれにダウンロードしたiperfの実行ファイルを配置しましょう。
ファイルダウンロード

環境に合わせてファイルをダウンロードしましょう。
Windows10 64bitであれば一番上のIPerf 3.1.3で大丈夫です。
ファイル配置

(筆者は「C:\Program Files\iperf」にダウンロードしたファイルを格納しています)
それでは計測開始してみましょう。
1.サーバ側で、iperfをサーバモードで起動

コマンド
cd [ダウンロードファイルを格納したフォルダパス]
iperf3.exe -s
2.クライアント側で、iperfをクライアントモードで起動

コマンド
cd C:\Program Files\iperf
iperf3.exe -c [サーバIPアドレス]
Bandwithで実行速度が分かります。
デフォルトだと10秒間実行したら自動で止まります。
サーバ・クライアントモードともに「Ctrl + C」で途中停止。
iperfのコマンドオプションは下記リンクが参考になりました。
>>iperfの使い方
iperfを用いた実験

検証構成は上図の通り、
無線アクセスポイント(2.4GHz帯)を経由するiperf通信中に電子レンジON!
通信速度の変化を確認します。

結果は上図の通り、電子レンジをONにした間、実行速度が低下していることが分かります。
原因は無線LANで使われるの電波(2.4GHz帯)と、
電子レンジで使われる電波の帯域(2.35Ghz周辺の強力な電波)が電波干渉し、
再送・ウィンドウサイズ調整を繰り返してしまい、通信速度が低下します。
無線帯域を5GHzに変更すると電子レンジによる速度低下は起きません。
電波特性上、当然といえば当然ですが、
実際に検証してみると数値の違いが如実に表れて面白いです。
コンビニが近くにあるオフィスのネットワーク構築では、
無線LANの電波帯域の選定に注意しましょう。
5GHz帯に対応した無線LANルータ・アクセスポイント
エラーメッセージが表示される場合は
iperf通信のタイミングでエラーメッセージが表示される場合は、
コマンドプロンプトを管理者権限で実行して試してみてください。
また、通信が止まっていないか、Ping確認やファイアウォールの確認をしてみてください。