ルート再配布で保守性を高める【ルーティングテーブルの可読性向上】

ルーティングプロトコルの経路情報は、別のルーティングプロトコルには経路広告しません。
ルート再配布を利用すると異なるルーティングプロトコル間でも経路広告出来ます。
本記事ではルート再配布の解説と、ルート再配布を利用してルーティングテーブルの可読性を向上させるコツを記します。

ルート再配布とは

通常、ルーティングプロトコルの経路情報は、別のルーティングプロトコルには経路広告しません。
ルーティングテーブルごとに経路広告のアルゴリズムが違うからです。

ルート再配布を利用すると異なるルーティングプロトコル間の経路広告が出来ます。
ルーティングプロトコル間の翻訳機能とイメージすると分かりやすいかもしれません。

Ciscoのコマンドだと「redistribute」
職場によっては再配布ではなく再配送と呼ばれたりします。
読み方の違いしかありません。

ルート再配布の実装例

OSPFとEIGRPの異なるルーティングプロトコルが接続された構成で、
ルート再配布の実装例を解説します。

1.ルート再配布が未設定の状態

上図の通り、異なるルーティングプロトコルの境界ルータしか全経路情報を知らない。
この状態では単一のルーティングプロトコル内でしか通信出来ないです。

2.OSPFにEIGRPの経路情報を再配布

OSPFにEIGRPの経路情報を再配布することで、
OSPFのネットワーク内に上図赤線の経路が広告されました。

ただ、これだけではEIGRP側のネットワークには経路が足りないので、相互通信は出来ません。

-Config-
RT2(config)# router ospf 1
RT2(config-router)# redistribute eigrp 1 subnets

3.EIGRPにOSPFの経路情報を再配布

-Config-
RT2(config)# router eigrp 1
RT2(config-router)# redistribute ospf 1 metric 100000 1 255 1 1500

双方向に経路を再配布することで、経路情報が広告され合うため、
異なるルーティングプロトコル間の通信が可能になります。

また、図の通り再配布された経路には「E」と修飾されます。

ルート再配布でルーティングテーブルの可読性アップ

中~大規模ネットワークにおいて、コアスイッチのルーティング行数は膨大です。

端末やサーバに割り当てられるセグメントだけでなく、
ネットワーク機器間のセグメントが膨大に存在するからです。

場所によってはルーティングエントリは1000行を余裕で超えます。

読みにくいルーティングテーブル

下記のルーティングテーブルを見て、
セグメントの役割がすぐ分かる人は存在しないはずです。

読みやすいルーティングテーブル

でも下記のルーティングテーブルではどうでしょうか。

上部のルーティングエントリに「E1」オプションが付いているのが、なんとなく分かります。

そこにプラスで「この現場のネットワークでは端末やサーバセグメントは再配布でE1オプションを付けるルール」という設計情報を聞くと、ざっくり内容が分かります。
(O E1が端末・サーバセグメント、CおよびOはネットワーク機器間セグメント)

これは構築における小手先のテクニックなのですが、
論理構成図やIPアドレス一覧などの設計情報が正しく更新され続けるとは限らないため、
showコマンドからある程度、構成が分かる仕組みがあると保守観点で有用です。
(インタフェースのDescriptionなども同様)

実装方法

構成例

構成例は上図の通りです。
DistSWに端末・サーバセグメント用のVLANインタフェースがDirectly Connectedの構成です。

読みにくいルーティングテーブルの実装例

DistSW(config)# router ospf 1
DistSW(config-router)# network 10.0.10.0 0.0.0.255 area 0
DistSW(config-router)# network 10.0.20.0 0.0.0.255 area 0
DistSW(config-router)# network 10.0.30.0 0.0.0.255 area 0

端末・サーバセグメントもOSPFのnetworkコマンドで経路広告しています。

読みやすいルーティングテーブルの実装例

DistSW(config)# router ospf 1
DistSW(config-router)# redistribute connected metric-type 1 subnets

OSPFの再配布でDirectly Connectedのセグメントを経路広告しています。
間にファイアウォールなどがある場合は、Static Routeでも同じように再配布可能です。

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